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渡辺 智; 石岡 典子; 長 明彦; 小泉 光生; 関根 俊明; 清宮 正一郎*; 中西 啓仁*; 森 敏*
Radiochimica Acta, 89(11-12), p.853 - 858, 2002/02
被引用回数:17 パーセンタイル:74.85(Chemistry, Inorganic & Nuclear)植物用ポジトロンイメージング装置の開発に伴い、ポジトロン放射体が植物の生理的な機能解明に有用であることがわかってきた。われわれは、この研究に用いるポジトロン放射体としてC-11,N-13,F-18等軽元素核種標識化合物の製造研究を行ってきた。今回は、新たにポジトロン放出金属元素金属元素V-48,Mn-52,Fe-52,Zn-62について製造開発を行った。AVFサイクロトロンからの陽子また粒子ビームをターゲット物質に照射し、目的のアイソトープをイオン交換法または鉄共沈法によりターゲット物質から分離し、トレーサーとして必要な化学形に調製した。トレーサー溶液中の放射性不純物及び非放射性不純物をごく微量に抑えることができ、植物実験に十分供し得るトレーサーを製造する方法を確立した。
逢坂 正彦; 小山 真一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 滑川 卓志
JNC TN9400 2000-058, 49 Pages, 2000/04
高速炉におけるMA核種の核変換特性の評価に資するため、照射済MOX燃料中のCm分析技術の開発及び高速実験炉「常陽」照射済MOX燃料中のCm同位体の分析を行った。迅速性・簡便性等を考慮した上で、照射済MOX燃料中のCmの同位体分析において必要なCm分離のための手法として硝酸-メタノール系陰イオン交換法を選択した。本手法の基本的な分離特性を把握する試験を実施し、Cmの溶出位置、Am,Eu等の元素との分離能等を把握した。本手法を照射済MOX燃料中のCm分析に適用するにあたり、分離特性の把握試験の結果より分離条件を評価し、溶出液取得条件を最適化して、それぞれ不純物の除去及びAmの除去を目的とした2回の分離によりCmを回収するプロセスを考案した。本プロセスを適用することにより、Cmの高回収率及びAm、Eu・Cs等の不純物の高除去率を同時に達成することができた。本手法を用いて照射済MOX燃料中からのCmの分離試験を実施し、分離したCmを質量分析することにより、照射済MOX燃料中のCm同位体組成比データの測定が可能であることを確認した。一連の試験により、硝酸-メタノール系陰イオン交換法によるCm分離手法を用いた照射済MOX燃料中のCm分析技術を確立した。本分析技術を用いて高速実験炉「常陽」照射済燃料中のCm同位体の分析を行った。その結果、高速炉内で燃焼度が約60GWd/t以上まで照射されたMOX燃料中のCmの含有率は約1.44.010のマイナス3乗atom%であり、さらに極微量の247Cmが生成することを確認した。また燃焼度が60120GWd/tの範囲ではCm同位体組成比はほぼ一定となることが分かった。
韋 悦周*; 新井 剛*; 熊谷 幹郎*
JNC TJ9400 2000-002, 80 Pages, 2000/02
本研究は、革新的技術アイデアにより経済性の高い高速炉燃料(MOX燃料)再処理プロセスを構築することを目標に、溶媒抽出法以外の湿式分離法として、イオン交換法による再処理プロセスの成立可能性を検討することを目的としている。そのため、これまでの基礎研究で得られている知見を基に、FBR燃料サイクルの特徴を踏まえたイオン交換法を中心とする再処理プロセスを策定した。本プロセスは、高速アニオン交換体を用いるイオン交換分離主工程および高選択性含浸吸着剤を用いる抽出クロマト法によるマイナーアクチニド分離工程より構成されている。策定したプロセスについて、処理規模200tHM/yの再処理プラントにおける分離工程のケミカルフローシート、物質収支図、主要機器のリストおよび各設備の配置概念図を作成することにより、主要工程における主要物質(含主要試験、廃棄物)の物流/物量、主要機器の概念/大きさおよび数量等を明らかにした。また、経済性、資源の有効利用性、環境負荷低減性および核拡散抵抗性の観点から本プロセスと簡素化ピュレックスプロセスとの概略比較を行い、それぞれの得失を評価した。さらに、実用化プロセスとしての成立性を高めるための技術的課題を摘出した。
半沢 正利*; 森岡 信男*; 麓 弘道*; 西村 建二*; 近沢 孝弘*
JNC TJ9400 2000-001, 112 Pages, 2000/02
本研究は、革新的技術アイデアにより経済性の高い高速炉燃料(MOX燃料)再処理プロセスを構築することを目標に、配管施工に係わるコストを大幅に削減できるパイプレスプラントの概念を導入し、且つ溶媒抽出法以外の湿式分離法も考慮した新しいプロセスの可能性を探ることを目的としている。そのため、まず、沈殿法、晶析法、イオン交換法及びパイプレスプラントについて文献調査を行い、これを基に、以下の湿式分離法を採用したプロセス要件に適合するプロセスフロー案の検討を実施した。(1)晶析+過酸化水素沈殿法プロセス(2)シュウ酸沈殿法プロセス(3)マイルドな条件の再処理法プロセス(晶析+沈殿法)(4)晶析+イオン交換法プロセス(5)晶析+溶媒抽出法プロセス上記検討プロセス及び従来プロセスについて、パイプレスプラントへの適合性、安全性、経済性、資源の有効利用性、核不拡散性及び運転・保守・補修性の観点から得失評価を行い、最も合理的なプロセスとして(1)晶析+過酸化水素沈殿法プロセスを選定した。選定プロセスについて、臨界安全評価を行うとともに物質収支図、プロセスフローダイアグラム、主要機器リスト及び移動槽・ステーションの配置概念図を作成することにより、主要物質の物流/物量、主要機器の概念/大きさ及び数量等を明らかにした。
塚田 和明
化学と工業, 51(4), P. 615, 1998/00
現在、超アクチノイド元素は112番元素まで確認され、104番及び105番元素では化学的性質が調べられてきた。最近、ヨーロッパの核化学研究グループを中心とした国際的協力研究で、106番元素(シーボーギウム)の化学的挙動が初めて調べられた。その結果、シーボーギウムが周期表の6族の性質を示すことが明らかになった。ここでは、そのような106番元素の化学的性質に関する研究について紹介する。
黒澤 龍平*
PNC TJ1615 93-002, 13 Pages, 1993/03
中部事業所において、鉱山の開発行為が周辺環境に及ぼす影響の有無を把握するための鉱山周辺の環境調査を、調査坑道の開坑前の昭和46年度以来、継続して実施している。調査においては、中部事業所が測定したデータと比較するため、調査坑々内外のラドン及びその娘核種の濃度の測定を行うとともに、調査坑周辺の大気中の粉塵、河川水、飲料水、土壌、生物等の試料を採取しウラン、ラジウム等の含有量の分析測定を行った。
住谷 秀一; 林 直美; 片桐 裕実; 成田 脩
PNC TN8430 91-001, 45 Pages, 1990/12
環境影響評価の観点から、環境試料中のSm-151及びPm-147の分析法を開発した。環境試料中のSm-151及びPm-147は、試料中または添加した安定Nbを分析回収率補正用キャリアーに用い、しゅう酸カルシュウム共沈、水酸化鉄共沈、鉱酸-メタノール系陰イオン交換法により精製した後、乳酸-水酸化ナトリウム溶液を溶離液とした高速液体クロマトグラフ装置を用い単離し、それぞれを液体シンチレーションカウンタで定量した。本分析法による検出下限値は、測定時間500分で約10mBq/サンプルである。本報告書は、安全管理部環境安全課における環境安全研究の一環として、これまで検討してきた「環境試料中Sm-151及びPm-147分析法の開発」について、その検討結果をとりまとめたものである。また、平成2年9月19日から9月21日までの3日間にわたり、英国マンチェスタ大学で開催された"6th International Symposium on Environmental Radiochemical Analysis;Royal Society of Chemistry"(第6回環境放射化学分析国際シンポジウム;王立化学協会主催)において発表した本研究報告内容についてもとりまとめた。
館盛 勝一
JAERI-M 8339, 89 Pages, 1979/07
前報に引き続き、廃液中のアクチノイド元素の回収例について、比較的大きな規模で行われたものを選んでまとめた。はじめに、様々な実例を理解し易くするために、Pu(IV)、Am(III)および希土類元素の溶媒抽出およびイオン交換挙動に関する基本的特性を整理して述べ、その後に、廃液からのアクチノイド元素の分離例を記した。最後に、現在世界各国において検討されている群分離プロセスの代表的なものを述べ、それぞれの方法に関する種々の問題点についても考察した。
久保田 益充; 天野 恕
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(5), p.376 - 380, 1977/05
被引用回数:2夏目らによって提案された核分裂生成物の陽イオン交換による系統分離法をMoおよびTeの調整法として適用した。この場合MoおよびTeの回収率を高め、不純物であるZrNbやRuの量を低下させる条件を求めた。これらの核種の陽イオン交換挙動はUOの粒径、溶解法,溶解後の放置時間,ウランの量によって変化した。Teフラクション中のTeの割合を増し、Mo,Teフラクション中のZrNb,Ruの不純物量を減少させるためには、UOを7MHNOに溶解した後、濃HClで処理し、その後直ちに核分裂生成物を陽イオン交換法によって分離することであった。またより大きな粒径のUOの使用はTeの収率を増加した。MoやTeの分離に影響をおよぼすことなく25mlのカラムで取換えるUOの量は約0.5gまでであった。
中村 治人; 久保田 益充; 館盛 勝一; 山口 五十夫; 佐藤 彰; 青山 三郎; 天野 恕
JAERI-M 6958, 40 Pages, 1977/03
製造部における核燃料再処理廃液からの長寿命RI製造技術の開発状況を纏めたものである。廃棄物処理として群分離と有用RIの製造の両目的に合うような分離技術の開発を目指して、溶媒抽出法とイオン交換法によるSr、Csおよび希土類元素の分離を主に考え分離条件を検討した。イオン交換樹脂および抽出剤として使用するHDEHPの耐放射線性をCo線源を使って調べ、この目的に使用できることを確かめた。硝酸のみを溶離剤とした陽イオン交換樹脂法で原研廃液10l(約2Ci)からSr、Csを99%以上の純度で分離する事ができた。更に大量の廃液を処理するため溶媒抽出法とイオン交換法を組合わせた分離システムを組み、分離装置を作りコールド試験を行った。2~3の改善すべき点はあったが基本的には予期した結果が得られ、約1Kgの廃液を使った実験に、原理的な変更なく移行できると考えられる。
畑 健太郎; 馬場 宏; 梅澤 弘一; 鈴木 敏夫; 野崎 正*
Int.J.Appl.Radiat.Isot., 27(12), p.713 - 715, 1976/12
被引用回数:10モナコ海洋研究所(IAEA)の要請に基いて、約1.5CiのPuを調整した。Puの生成反応を検討した結果、U(He,4n)Pu反応を選ぶこととし、HeビームでU金属を照射した。照射した試料を溶解したのち、イオン交換法によりPuを分離精製した。得られたPu試料の一部を取って、半導体検出器による(X)線および線スペクトロメトリーとガスフロー・プロポーショナル・カウンターによる線ならびに転換電子の測定を実施し、Puの同定と定量,不純物の同定と定量を行なった。その結果、放射性不純物としては、短寿命のNpの他には、微量のRuが検出されたのみで、充分使用目的に耐える純度が得られていると結論された。
久保田 益充
Journal of Nuclear Science and Technology, 13(8), p.449 - 453, 1976/08
被引用回数:1高純度酸化ユーロピウムに含まれるGd不純物を陽イオン交換法を併用した放射化分析法によって定量した。Gd放射能を対象として定量したところ熱中性子束~110n/cm・sec、照射時間130hrで1.810ppmの不純物量となった。これはEuの二次中性子反応から生成したGdに原因がある。この反応の影響を避けるためGdを対象としてGd不純物を定量した。実験はGd不純物をEu試料から分離した後、放射化し線放射能を測定した。その後、-ヒドロキシイソクラ酸を溶離剤としたイオン交換法によってGd放射能を精製した。この方法によるGd不純物量は40ppm以下であった。Gd放射能を用い、Eu試料からGd不純物を分離した後放射化するこの方法はGd不純物の定量に有効である。
市川 富士夫; 佐藤 忠
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 35(7), p.2592 - 2594, 1973/07
被引用回数:5高速遠心法ならびに陰イオン交換法により、アルカリ溶液中のカドミウムの溶存状態が、カドミウム濃度の凾数として研究された。アルカリ溶液中で微量のカドミウムは-1価の陰イオンとして存在することが陰イオン交換法により明らかとなった。遠心のデータに基づき、Hと含カドミウム陰イオン(HCdO)の活量積が計算された。その値は、カドミウムの初期濃度が10~10Mの範囲でほぼ一定で、(1.791.15)10であった。以上の結果に基づき、pHおよびカドミウム濃度の凾数としてのカドミウムの存在状態を与えるダイアグラムを作製した。
渡辺 賢寿
日本原子力学会誌, 11(11), p.687 - 690, 1969/00
Pの化学的研究には,必ず精製を必要とし,時として回収作業が付随する。日本原子力研究所では,およそ10年間にわたりP精製・回収について経験を積んできた。近年,Pの化学的研究が国内各所で行われるようになったので,実際に原研P研充棟で用いられている方法を述べ,参考に供したい。本稿では,範囲をイオン交換法に限ったが,このほか溶媒拙出法,沈殿法なども併用されている。
四方 英治
日本原子力学会誌, 5(8), p.644 - 651, 1963/00
抄録なし
青山 功; 石田 健二; 青山 千代; 田村 修三; 森戸 望*; 大村 一郎*; 斎藤 昇*; 本山 華久機*
日本原子力学会誌, 4(10), p.700 - 702, 1962/00
カリウムの同位体分離についてTaylorおよびUrey,Hutchison,Brewerら,GarretsonおよびDruryの研究がすでに報告されているが、これらは他のアルカリ金属の同位体分離の方法と同様に、イオン交換法あるいは水溶池中の同位体イオンの移動度差を利用する方法のいずれかである。同位体イオン交換法における単位段分離係数をカリウムについて実験的に求めたものは皆無であり、わずかにGlueckaufやKnyazevが理論的に求めた計算値(分離係数=1十としてが10程度の大きさである)があるにすぎない。一般にアルカリ金属のイオン交換法による同位体分離に対する単値段分離係数は他の方法による同位体交換反応における分離係数と同様に非常に小さいので、単位段分離過程を重畳するための1つの方法としてクロマトグラフィー的方法が行なわれている。
高畠 容子; 齋藤 まどか*; 岩本 敏広; 渡部 創; 渡部 雅之
no journal, ,
軽水炉燃料加工時にウランを含むスラッジが各施設で発生し、保管されている。保管されているスラッジからウランを浸出させた溶液から、ウランを選択回収する。本検討では、スラッジ浸出液を処理する工学規模設備の実現に向けて、ウラン回収方法の市場調査を行った。候補手法を設備規模,二次廃棄物量,手法の成熟度,長所,短所の観点から比較し、今後検討すべき技術の選出とともに、研究開発計画を立案した。